日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2009年3月24日、CIO(最高情報責任者)などの次期経営層を育成する事業を始めると発表した。名称は「イノベーション経営カレッジ」で7月から開講する。

 同カレッジの核は、計9日の合宿研修だ。民間企業の経営者やCIOを講師として招き、イノベーション経営の成功・失敗事例を教えたり、成功要因を探るディスカッションを行ったりする。

 さらに受講生が所属する経営戦略やIT戦略を模擬的に立案する課題などを通して、業務改革や課題解決の実践力を高める。卒業生が情報交換するコミュニティやIT経営事例などを分析・研究する場を設ける計画だ。

 対象は一部上場企業の部課長クラスで、1回の研修で20~30人の参加を予定している。受講費用は1人あたり63万円。初年度は年2回で延べ60人、次年度以降は年100人のペースでCIO候補や経営層候補を育成する。

 国内では早稲田大学大学院などが、CIO候補を育成するコースや、技術と経営の融合を学ぶMOT(Management of Technology)コースを設けている。JUASは実践色を高めることで差異化を図る。「イノベーション経営を実践している経営者やCIOと本気で議論したり、生の体験から学んだりする場は少ない。実践力のある人材を育てていきたい」と、細川泰秀専務理事は話す。