写真1●日本オラクル代表執行役社長最高経営責任者の遠藤隆雄氏
写真1●日本オラクル代表執行役社長最高経営責任者の遠藤隆雄氏
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写真2●日本オラクル常務執行役員アプリケーション事業統括本部長の保々雅世氏
写真2●日本オラクル常務執行役員アプリケーション事業統括本部長の保々雅世氏
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 「国際会計基準(IFRS)への対応を支援する上で大切なのは,何より企業の経営に貢献すること。そのために,パートナーの皆さんとの横連携を強くしたい」。日本オラクル代表執行役社長最高経営責任者の遠藤隆雄氏は2009年3月24日,日本オラクル本社で開催したIFRSパートナーコンソーシアムの第1回ミーティングでこう語った(写真1)。

 IFRSパートナーコンソーシアムは,コンサルティング会社やシステム・インテグレータなど日本オラクルのパートナー企業で構成するコンソーシアム。オラクルの顧客企業に向けたIFRS対応の支援を主な目的とする(関連記事)。2月の発表時には参加企業は29社だったが,現在は36社に増えた。事実上の旗揚げとなった今回は36社から86人が出席した。

 「J-SOX(日本版SOX法)の時は好景気でもあり,企業は対応に多くの投資が可能だった。これに対し国際会計基準(IFRS)への対応は,厳しい経済状況下で進めなければならない。単純にIFRSを“ビジネス・チャンス”ととらえることには疑問がある」。遠藤氏はこう語る。「IFRSに対して安価で確実かつ簡単に対応できるシナリオを用意し,企業の経営に貢献したい。そのためには,パートナーの皆さんとの横連携が欠かせない。IFRS対応の道は長い。“チーム”として取り組んでいきたい」(同)。

 コンソーシアムは3月から9月末までを第一期とする。常務執行役員アプリケーション事業統括本部長の保々雅世氏は,第一期の活動の切り口として(1)PRの推進,(2)メニューの充実,(3)実現力の向上の3点を挙げる(写真2)。

 (1)は「IFRSに関してはあの企業に聞いてみたい,相談したいと評価されるようにするための活動」(保々氏)。(2)では「企業に対して具体的に提供できるコンサルティングやサービスのメニューを,コンソーシアムとして共通なものとして作る」(同)。(3)では,(2)で提示したメニューを「パートナーそれぞれの持ち味を生かして,チームワークを生かして実行する仕組みを作り上げる」(同)とする。

 実際の活動としては月次または隔月の総会に加えて,隔週または月次の分科会,さらにセミナーを実施する。総会では「IFRS早期適用のメリット」「コンソーシアムへの期待」「注目度の向上策」などについて議論する。分科会では,オラクル製品や海外事例,パートナーが持つテンプレートや方法論に関する勉強会を開く予定。

 9月末の第一期終了時には,成果物としてコンソーシアムとしての標準メッセージやサービス・メニューを公開する。標準メッセージは「ITによる対応が必要な要件は何か,が主要なトピックになる」(アプリケーション事業統括本部Financials SC本部長の大久保亨信氏)。サービス・メニューは「X社の『IFRS要件整理コンサルティング・サービス』とY社の『Oracle製ERPパッケージ導入サービス』とZ社の『海外システム展開サービス』を組み合わせて“王道型”として提示するなど,定食のように分かりやすい形を目指す」(同)。