米Microsoftは米国時間2009年3月18日,同社のクラウド・コンピューティング基盤「Windows Azure」のプレビュー版で同3月13日に障害が発生し,多数のサービスに影響が生じたことを明らかにした。
オペレーティング・システムの定期更新時にネットワーク関連の問題が生じたことが原因で,Windows Azureのデプロイメント・サービスのパフォーマンスが低下し,多数のサーバーでタイムアウトや障害が発生したという。この結果,単一インスタンスのみで動作するアプリケーションがサーバーとともにダウンしたほか,複数インスタンスの一部アプリケーションにも影響が出た。
また,問題が生じたアプリケーションを別のサーバーに自動移行する復旧処理の影響で,Webポータルからの管理機能も多くのアプリケーションで使えなくなった。ストレージには障害の影響はなかった。
現在はすべてのアプリケーションが正常に復旧している。米メディア(InfoWorld)の報道によると,今回の障害は,米太平洋標準時で13日午後10時30分から翌14日午後8時30分まで続いた。
同社は,障害の引き金となったネットワーク問題への対処を進めているほか,障害復旧のアルゴリズムを見直し,迅速かつ的確な対応を実現する予定だとしている。開発者に対しては,アプリケーションのデプロイメントを複数インスタンスで行うよう勧めている。今後,プロジェクトやサンプルでは2インスタンスをデフォルトにし,2つ目のインスタンスは割当数の制限から除外するという。
Windows Azureは,同社が2008年10月に発表したクラウド・コンピューティング基盤(関連記事:[PDC 2008]米マイクロソフトがクラウドOS「Windows Azure」を発表,[PDC 2008]Windows Azureとは?)。現在は,プレビュー版の「Community Technology Preview(CTP)」としてサービスを提供している。