図1●「IPv6デュアル」サービスの概要
図1●「IPv6デュアル」サービスの概要
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2009年3月18日,MPLSベースのIP-VPNサービス「Arcstar IP-VPN」のオプションとして,IPv4/IPv6デュアル・スタック・サービス「IPv6デュアル」を3月23日に開始すると発表した。MPLSベースのIP-VPNでデュアル・スタックに対応したのは国内では初めてとしている。

 同社は2007年9月からIPv6接続のIP-VPNサービスをトライアルとして提供してきた。今回の本サービスに当たり,IPv6とIPv4の両方を一つの回線で運用できるようにした(図1)。IPv4と別の回線を新たに契約することなくIPv6を使えるようにすることで,IPv6導入のハードルを下げるのが狙いだ。とくに最近は IPv4アドレス枯渇問題に対する意識の高まりから,将来に向けて社内ネットワークにもIPv6をテスト導入するニーズが増えているという。

 料金面でも,IPv6を導入しやすい設定をした。すでにIPv4でArcstar IP-VPNを契約しているユーザーは,帯域品目にかかわらず,IPv4の定額通信料金に5250円を加えるだけでIPv6が利用できる。例えば,インタフェースが100BASE-TXの場合,IPv4だけの定額通信料金は,ポート速度10Mビット/秒の品目が31万5000円,ポート速度100Mビット/秒の品目が105万円である。それに対し,IPv6デュアルの定額通信料金はポート速度10Mビット/秒の品目が32万250円,ポート速度100Mビット/秒の品目が105万5250円となる。

 当初利用できるアクセス回線のメニューは,同社の光アクセスを利用するタイプ(0.5M~1Gビット/秒)と,NTT東日本とNTT西日本のビジネスイーサワイドを利用するタイプ(0.5M~100Mビット/秒),局内で接続するタイプ(1M~1Gビット/秒)の三つがある。今後,利用できるアクセス回線の種類は順次増やしていくという。

 ユーザーが利用できるIPv6アドレスは,(1)IPv4アドレスのプライベート・アドレスに相当する「ユニーク・ローカルIPv6アドレス」,(2)ユーザー自身が取得したグローバルIPv6アドレス,(3)同社が払い出すグローバルIPv6アドレス――の3種類となる。

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