北米のコンピュータ関連の学部や研究所などで構成する協会Computing Research Association(CRA)は米国時間2009年3月17日,大学のコンピュータ・サイエンス学部の実態について調査した結果を発表した。それによると,2008年秋の時点で,コンピュータ・サイエンスを専攻する大学生の数が,ドットコム・ブームの終焉以来,初めて大幅な増加を記録した。

 具体的には,コンピュータ・サイエンスを専攻する新入生が前年から9.5%増加した。それに伴い,コンピュータ・サイエンス関連講座を受講する大学生の総数も前年から6.2%増加した。専攻学生に限定すると,受講者の増加率は8.1%に上昇する。同講座の受講生が前年比で増加したのは6年ぶり。

 コンピュータ・サイエンス学部の学士号を取得した学生の数は,前年比で10%減少した。前年の減少率は20%だった。同学部の博士号取得学生数は,前年から5.7%増加した。

 CRAの次期会長に就任予定のPeter Lee氏は,「卒業後に給与条件の良い職に就ける可能性が高いことが,コンピュータ・サイエンス専攻学生の増加の一因だろう」と説明する。同氏によると,コンピューティング・テクノロジの知的な深遠さや社会への貢献力に魅力を感じる学生も増えているという。

 米労働省の調査では,コンピュータ・サイエンスを専攻した学生の卒業後の平均収入は,大学卒業生全体の平均よりも13%多い。また,米労働統計局によると,コンピュータ・サイエンス専攻学生の卒業後の就職率は,ほかのサイエンスおよびエンジニアリング分野の学生よりも高い。

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