人道支援活動を行う非営利組織のInSTEDD(Innovative Support to Emergencies, Diseases and Disasters)は,現場で役立つオープンソースのアプリケーション3種を,米国時間2009年3月17日に発表した。「GeoChat」「Mesh4X」「Evolve」の提供により,伝染病の早期発見や自然災害の救助活動を支援したい考え。

 GeoChatは,携帯電話とWebを利用して情報共有を行うコミュニケーション・システム。SMS,電子メール,Web上の地図を介してやり取りを行う。メッセージ入力時に位置情報を入力すると,地図上にユーザー・アイコンとメッセージを表示し,本部と現場スタッフがリアルタイムで連携できるようにする。

 Mesh4Xはデータベース,デスクトップ・アプリケーション,Webサイト,デバイスなど,異なるソースの情報を,安全かつ選択的に共有できるプラットフォーム。インターネットを利用できない場合は,ノート・パソコンを携帯電話に接続し,SMSを介してデータの同期を行える。

 Evolveは公衆衛生上の脅威が発生した場合などに,状況の適確な把握と意思決定を支援するツール。データ収集,特徴抽出,データ分類とタギング,仮説の検証,予測とアラート配信,フィードバック収集などを行うモジュールで構成する。現在7つの症候群,10の感染経路,100を超える感染症,180種の微生物,140種の症状,50種以上の化学薬品を自動的に分類可能。

 アプリケーションはすべて無償で提供する。Mesh4Xはすでに提供を開始しており,米国,ケニア,タンザニアで評価版を試用中。GeoChatは5月末までに,Evolveは今夏中に一般提供を開始する予定。

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