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[グリーンITフォーラム]データセンター効率指標PUEはここまで進化した--グリーン・グリッド坂内氏「データセンターの効率を測るものさしであるPUEは,比較評価しやすいようにブラッシュアップされた。ぜひ施設の改善に役立ててほしい」──。2009年3月13日,都内で開催された「グリーンITフォーラム」の特別講演で,データセンターの省電力化を推進する業界団体「グリーン・グリッド」の日本コミュニケーション委員会代表である坂内美子氏が登壇,最新の活動成果について説明した(写真1)。 グリーン・グリッドは,データセンターのエネルギー効率を測る指標として2007年に初めてPUEを提唱。PUE=(データセンターの設備全体の消費電力)/(IT機器の消費電力)と,簡単な公式で定義されるのが特徴で,米国や日本を中心に広がりを見せてきた。「PUEはきわめてアメリカ的なやり方で世に出た指標。とりあえず公開し,各方面からの意見を吸い上げて改善していくというプロセスを取った」と坂内氏は話し,最初から完ぺきな指標作りを目指す日本の業界との違いを指摘した。 果たして,「IT機器単体の効率が考慮されていない」「測定方法があいまいで結果を比較評価できない」など,多くの問題点が寄せられた。そこでグリーン・グリッドでは,会員企業や研究機関などと議論し,2009年2月にいくつかの改善案を発表した。 まず,測定の精度によって3段階にレベル分けする。IT機器の入力の測定ポイント,測定可能なデータセンターの総電力,測定頻度の3つの項目についてそれぞれ基準を設定し,基礎(レベル1),中級(レベル2),上級(レベル3)に区分した。例えばレベル1では,測定ポイントはUPS(無停電電源装置),データセンターの電源入力を総電力とし,月1回または週1回の頻度で測定を行った場合がこれに相当する。これに対し,レベル3では,測定ポイントはサーバー単位,データセンターの電源だけでなく照明や保安設備も含めたものを総電力とし,さらに数分ごとの連続測定を行っている場合がこれに相当する。 こうした測定方法の詳細は,PUEの数値に併記して報告する(図1)。例えば,「1.6 PUE L1,MW」とは,「レベル1の測定ポイントで,毎週収集されたデータを,月間で平均したPUEの数値」という意味だ。DCiEはPUEの逆数をとった値で,やはりデータセンターのエネルギー効率の指標である。 次に坂内氏は,開発中の新しい指標「DCP(Datacenter Productivity)」を紹介した。これは,データセンターの生産性を評価する指標で,DCP=IT機器全体の処理量/設備全体の消費電力,と定義される。これによって,サーバーの稼働率や,仮想化技術の導入といった施策を含め,データセンターにおけるコンピューティング能力の生産性をトータルに評価できる。 ただしDCPはまだ開発途上。PUEの時と同様,グリーン・グリッドの会員や業界関係者から数々の指摘を受けている。「IT機器の処理量,つまりIT機器が行う“仕事”の定義があいまいで,測定しづらいという声が出ている」と坂内氏は明かす。そこでグリーン・グリッドでは,生産性の測定に関して8つのプロキシ(方式)を提案。今後1年をかけて,それぞれの方式の問題点を抽出し,DCPという指標をブラッシュアップしていく予定だ。 グリーン・グリッドでは,こうした様々な検討結果をふまえ,エネルギー効率の高い次世代のデータセンターを設計するためのガイドライン「データセンター2.0 デザインガイド」を策定中という。「冷却,電源,設備だけでなく,運用管理していくインフラも含めて,包括的な提案を行うガイドラインになる。ITベンダーだけではなく,建設会社など関連業界とも広く共有していく」と坂内氏は展望する。2011年の公表を目標にしている。 このほか,データセンターの電力構成といくつか要素を入力すると電力効率を計算できるオンラインの「消費電力構成ツール」や,データセンターのエネルギー効率向上の取り組みを支援するオンラインのトレーニングツール「グリーン・グリッド・アカデミー」など,様々な普及啓発ツールについて紹介。グリーン・グリッドの会員ならば誰でも利用できるという。 「ツールの日本語化には順次取り組んでおり,まもなく稼働する予定だ。ぜひグリーン・グリッドの会員になり,我々と一緒にデータセンターのグリーン化を推進してほしい」と坂内氏は最後に語り,聴講者に参加を呼びかけた。 最新ニュース記事一覧へ >>
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