NTTドコモは2009年3月13日,MVNO(仮想移動体通信事業者)向けのレイヤー2接続に関するメニューを接続約款に追加した。これにより,MVNOはNTTドコモとレイヤー2接続が可能になった。

 レイヤー2接続とは携帯電話事業者とMVNOとの間の接続形態の一つで,文字通りレイヤー2(データリンク層)のレベルでネットワークを相互接続すること。MVNOはレイヤー2接続により,レイヤー3接続では実現できなかった,(1)接続や切断などのセッション・コントロール,(2)IPアドレスの割り当て,(3)発信者番号認証や端末認証などを独自に実施できるようになる。

 NTTドコモの接続約款では「FOMA直収パケット接続機能」の「GTP(GPRS tunnelling protocol)接続」と呼ぶメニューになっており,帯域幅課金を採用する。接続料は10Mビット/秒までの場合で月額1267万1760円,10Mビット/秒を超える場合は1Mビット/秒ごとに月額126万7176円を加算する(いずれも税別)。別途,「MVNO回線管理機能」や「FOMA直収パケット接続装置機能」の使用料がかかる。前者は1回線ごとに月額110円,後者は個別見積もりとする。

 なお,従来からあるレイヤー3接続の接続料は,10Mビット/秒までの場合で月額1441万4934円,10Mビット/秒を超える場合は1Mビット/秒ごとに月額144万1493円。レイヤー2接続の方が安くなっているのは,相互接続に当たってMVNOが使用するNTTドコモの設備がレイヤー3接続よりも少ないため。NTTドコモのレイヤー2接続では,接続に当たって「GGSN」(gateway GPRS support node)と呼ぶ中継パケット交換機をMVNOが自ら用意する必要がある。

 NTTドコモのレイヤー2接続は,MVNOの先駆けである日本通信が採用を表明済み。日本通信はHSDPA(high speed downlink packet access)と無線LANを組み合わせたサービス「Doccica」を3月23日に開始する予定である(関連記事)。

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■変更履歴
公開当初,接続料について10Mビット/秒を超える場合の1Mビット/秒ごとの加算額を「月額126万7176万円」としていましたが「月額126万7176円」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/03/13 19:50]