証券取引等監視委員会は2009年3月13日、ネット証券大手の楽天証券とマネックス証券に対して行政処分を行うよう金融庁に勧告した。両社を検査した結果、システムに関係する法令違反があったという。

 楽天証券が指摘されたのは、2008年11月11日に発生し復旧まで約7時間続いたシステム障害と2009年1月13日の5時間弱続いた発注遅延に対するもの。どちらも、「システム運用組織の管理が十分でない」とされた。

 監視委は「システム障害の被害拡大を未然に防ぐ、被害を最小化する復旧態勢の整備が不十分」「障害発生時に顧客に混乱を生じさせない適切な措置が講じられていない」と指摘。例えば、ベンダーの復旧作業の確認を楽天証券側できちんとしていない、復旧マニュアルの実効性が確認されていないといった点を挙げた。

 マネックス証券についても同様に「システム運用組織の管理が十分でない」ことが問題視された。同社は2006年6月に金融庁から業務改善命令を受けているが、これへの対応が不十分と判断された。具体的には、経営陣が改善状況を管理する方針や基準を定めていない、監督の専門部署を設置していない点を指摘する。

 今回、金融庁から楽天証券に業務改善命令が下ることになるとシステム障害としては異例の3度めとなり、厳しい措置がとられる可能性が高い。