ユーザー自身が趣味や関心ジャンルを追加・削除できる「Ads Preferences Manager」の画面
ユーザー自身が趣味や関心ジャンルを追加・削除できる「Ads Preferences Manager」の画面
[画像のクリックで拡大表示]

 米グーグルは2009年3月11日、「Interest-Based Advertising(興味・関心に基づく広告)」と呼ぶ行動ターゲティング広告の試験配信を開始すると発表した。掲載面は同社が提供する広告配信プラットフォーム「AdSense」に参加するWebサイトと動画投稿共有サイト「YouTube」。日本の広告主の出稿への対応は未定だ。

 同広告はAdSenseに参加するWebサイトとYouTubeにアクセスしてきたユーザーにクッキー(Cookie)を発行し、Webページの閲覧履歴を取得。ユーザーの趣味や関心を約600のカテゴリーで分類し、最適な広告を配信する仕組み。通常の行動ターゲティング広告と異なるのは、「Ads Preferences Manager」と呼ばれる管理画面からユーザーが自らの分類された嗜好(しこう)性を確認できる点。この管理画面では、自分で興味のあるジャンルを追加したり、削除したりできるほか、履歴取得および履歴を基に配信される広告を一切拒否できるオプトアウト機能も用意している。

 同社が始める広告配信は、ヤフーとオーバーチュアが日本独自で開発して提供している行動ターゲティング技術を盛り込んだコンテンツ連動型広告「インタレストマッチ」の競合商品といえる。

 米グーグルはこれまで行動ターゲティング広告に対して否定的なコメントを発してきたが、ここにきて大きく方針転換を図った格好だ。

 一方、AdSenseで配信される広告を表示していたWebサイトは特別な設定変更を行わない限り、ユーザーの行動履歴を取得し、行動ターゲティング広告が配信される媒体となる。そのため、2009年4月9日までに行動履歴を取得する旨をプライバシーポリシーに明記する必要がある。