米司法省(DOJ)は米国時間2009年3月10日,米Nasdaq Stock Market(NASDAQ)のBernard L. Madoff元会長を,証券詐欺を含む11の容疑で起訴したことを明らかにした。

 DOJによると,すべての容疑で有罪が確定した場合,最大150年の禁固刑と,被害額の最大2倍に相当する損害賠償支払いが言い渡される可能性がある。

 Madoff元会長は,数年にわたってポンジー詐欺(ねずみ講に似た手口の詐欺)をはたらいていたとして,昨年12月に米証券取引委員会(SEC)が告発し,米連邦捜査局(FBI)が逮捕した(関連記事:NASDAQの元会長,巨額ねずみ講詐欺で逮捕)。

 少なくとも1980年代から詐欺行為を続け,顧客に虚偽の投資話を持ちかけて多額の資金を集めた。しかし実際には投資に使わず,自身が着服したり,他の投資家への支払いにあてたりした。

 また,従業員には証券業界でほとんど経験のない者を多数採用し,口座明細書や取引確認書などの書類を偽造させていた。

 昨年11月30日時点の顧客数は約4800で,口座残高を総額約648億ドルと報告していたが,実際にはそのわずかしか残っていなかった。

 Madoff元会長は,罪状認否のために3月12日に出廷する予定。

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