3次元(3D)コンピュータ・グラフィックスを手がける新興企業の米Caustic Graphicsは米国時間2009年3月10日,3D画像を作成するための技術であるレイトレーシングの大幅な高速化に成功したと発表した。同社独自のレイトレーシング・アルゴリズムを半導体に実装することで,高速化を実現したとしている。

 同社によれば,第1世代の技術で,従来の約20倍の速さで現実感のある3D画像を作成することが可能という。2010年前半に公開予定の第2世代技術では,3D画像の処理速度を現在の最新鋭グラフィックス製品の200倍まで高めることを目指す。

 Caustic Graphicsの創設者であるJames McCombe氏とLuke Peterson氏,Ryan Salsbury氏は,同社を立ち上げるまでは,米Appleでグラフィックス関係のエンジニアとして働いていた。Caustic Graphicsのほかの社員も,Appleや米Autodesk,米Intel,米NVIDIA,米AMD傘下のATI Technologiesなどの出身者で占められている。

 米メディア(CNET News.com)によると,レイトレーシング技術はIT業界で注目を集めており,Intelは同技術がグラフィックス・プロセサよりもCore 2 Quadのような汎用チップにおいて高速に動作する,と主張している。また,グラフィックス・チップ大手のNVIDIAは昨年,レイトレーシング技術開発の米RayScaleを買収した。

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