米Google傘下のビデオ共有サービス「YouTube」は,英国の著作権料徴収団体であるPRS for Musicとの契約が期限切れとなったことを,米国時間2009年3月9日に公式ブログで明らかにした。このためYouTubeユーザーは,英国でレコード会社が供給するプレミアム音楽ビデオにアクセスできなくなる。

 YouTubeによると,金額について折り合いが付かず,契約更新の合意に至っていない。同社EMEA地域ビデオ・パートナシップ担当ディレクタのPatrick Walker氏は,「これまで当社は,アーティストや作詞・作曲者,そして著作権保持者を尊重し,オンラインによる収益が渡るように努めてきた。しかし今回,PRS for Musicは従来の何倍ものライセンス料を支払うよう要求している」と説明。その金額は「法外な高さ」だという。

 また同氏は,PRS for Musicがライセンスの対象に含まれる楽曲を,YouTubeに教えようとしないことについても批判した。

 YouTubeは,PRS for Musicと納得のいく妥協点を見いだすために協議を続けているが,合意に達するまでは音楽ビデオへのアクセスを遮断する。この契約は,YouTubeが提携を結んでいるレコード会社の音楽ビデオを配信するために,PRS for Musicとの間で交わすもので,「レコード会社との問題ではない。YouTubeはほとんどのレコード会社と強力な関係を持っている」(YouTube)。

[発表資料へ]