マイクロソフト日本法人は2009年3月10日、グループウエアのオンラインサービス「Microsoft Online Services」を国内で正式発表した。同日から無償のベータ版を公開、4月から商用サービスに移行する。顧客企業は自社でサーバー機やソフトを導入・運用しなくても、Exchange、SharePointといった同社の企業向けグループウエア製品をネット経由で利用できる。同分野で先行する米グーグルとの間の競争が過熱しそうだ。

 電子メールや予定表管理などの「Exchange Online」、ファイル共有や社内ポータルサイトの作成・運用の「Office SharePoint Online」、インスタントメッセージングや在席情報管理の「Office Communications Online」、Web会議の「Offce Live Meeting」の4サービスで構成する。「顧客企業はソフトウエアを自社運用する場合に比べて迅速に、より低い初期コストで、同等の機能を利用できる」(同事業を統括する横井伸好業務執行役員)。

 各サービスを単体で提供するほか、4種をまとめた統合版も用意する。「顧客企業に様々な選択肢を提供することが、新サービスの重要なポイントであり当社の強みだ」。横井業務執行役員は新サービスの特徴をこう説明した。マイクロソフトはコストや機能の異なる利用形態やサービスの提供形態を用意し、顧客企業が選んだり組み合わせたりできるようにする。

 運用形態についても、すべての顧客企業が同一のプラットフォームを共有する「スタンダード」版と、顧客企業に固有のプラットフォームを用意する「デディケーテッド(占有)」版の2種類を用意する。前者は個別のカスタマイズがしづらいが、基盤を共有する分だけ割安になる。後者は回線を専用線にしたりデータ保存容量を増やしたりといったカスタマイズが可能。その分だけ料金は割高になる。

 料金体系はユーザー数に応じた月額制。詳細は3月中に決定するが、ドル建ての米国版の料金を円換算した水準にする。Exchange単体は1000円、SharePoint単体は700円、4種類の統合版は単純合計より900円ほど安い1500円で提供する見込みだ(いずれもスタンダード版)。