写真1●中国ZTE製の専用USB端末
写真1●中国ZTE製の専用USB端末
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写真2●1000円刻みで通信時間を追加チャージできる
写真2●1000円刻みで通信時間を追加チャージできる
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写真3●日本通信の三田聖二代表取締役社長
写真3●日本通信の三田聖二代表取締役社長
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 日本通信は2009年3月10日,NTTドコモのFOMA網とレイヤー2接続したデータ通信と,無線LANスポットでの接続を提供するサービス「Doccica」を発表した。通信料は1分10円。レイヤー2接続によって帯域の利用効率を高め,利用料を低価格化を実現した。専用のUSB端末(写真1)は3月23日に発売する。

 専用USB端末の価格は,5000円分の通信料込みで1万4800円。端末購入後にユーザーは必要に応じオンライン上で1000円(100分),2000円(200分),5000円(500分)と1000円単位で追加チャージできる(写真2)。定額料金を設定している従来のデータ通信サービスが「パケット料金をどう勘定したらいいのかユーザーに見えにくい」(日本通信 三田聖二代表取締役社長,写真3)として,分刻みのシンプルな料金体系にした。チャージした通信時間には,購入した金額に応じて60~120日の有効期限がある。

 ユーザーはNTTドコモのFOMAの3G網のほか,公衆無線LANサービスも利用できる。対象とするのは,NTTコミュニケーションズのホットスポット,ソフトバンクテレコムのBBモバイルポイントなど。利用できるエリアにユーザーが移動すると専用ツールのボタンが緑色に変わり,そのボタンを押すだけで公衆無線LANに接続できる。ユーザーがIDやパスワードを入力する手間は必要ない。公衆無線LANへの接続にあたっては,1回につき300円分の通信料を消費する(同一サービス業者のエリアならば同日内なら追加料金なしで再接続可能)。

 Doccicaでは,レイヤー2接続に切り替える上で,従来NTTドコモ側にあった中継パケット交換機(GGSN)を日本通信側で管理するようにした。これにより「通信の品質制御ができるようになり,ネットワークの使用効率を向上できる」(常務取締役の福田尚久CMO兼CFO)という。Doccicaは個人向けのサービスだが,将来的には法人やM2M(machine to machine)の需要を開拓して回線の効率利用とコスト削減を目指す。

 ユーザーがIDやパスワードを入力せずに無線LANサービスに接続できる仕組みも,日本通信のネットワークに設置したRADIUSサーバーがレイヤー2接続でユーザーのパソコンを認証できるようにしたことで実現できたという。

 USBドングル型の端末は中国ZTE製。HSDPA(high speed downlink packet access)方式による最大通信速度は下り7.2Mビット/秒。接続ソフトの対応OSはWindows Vista/XP。外形寸法は幅69mm×奥行き26.5mm×高さ12mm,重さは約30g。

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