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 BI(ビジネスインテリジェンス)ツールベンダーの米クリックテック(QlikTech)は3月10日、国内市場に本格参入することを発表した。サイロジック(神戸市)と総販売代理店契約を締結し、アシストやCSKシステムズ西日本、日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェアとは再販契約を結んでいる。既にNTTコミュニケーションズに納入が決まっている。

 同社が開発したBIツール「QlikView」は、高速データ検索が最大の特長。膨大なデータでも独自理論によって5分の1から20分の1程度にするほか、メモリー上でデータを展開するため分析スピードが向上するなど、他社製品より使いやすいという。

 「QlikViewは今までと全く異なるタイプのBIツール。開発に当たっては、常に利用者を満足させるにはどうすべきかを考えてきた。エンドユーザーはあらゆる角度からデータ分析できるので、自分の思考をすぐに反映させることができる。稼働までの期間も1週間程度と短い」とラース・ビョークCEO(最高経営責任者)は言う(写真上)。

 販売では、サーバーも含めて1カ月間、無料ですべてのライセンスを提供する方針。納入後、30日間の返金保証もある。コンサルティングなどのサービスも用意する。価格は最小構成で250万円から。

 「これまでさまざまな地域に参入したが、撤退したことはない。日本市場では今後3年間で1000万ドル(1ドル=100円換算で10億円)の売り上げを目指す」(ビョークCEO)。製品名にちなみ、総販売代理店のサイロジックの社名をブランド名として「QlikView Japan」にする。

 現在の製品のバージョンはQlikView8.5だが、今年5月には最新版のバージョン9を発表する。iPhone上で稼働させるなど、モバイル対応にする考えだ(写真下)。

 クリックテックは93年にスウェーデンで創業し、現在は米ペンシルベニア州に本社を置いている。2008年の売上高は前年比50%増の12億ドル(同120億円)で、社員数は全世界で約500人。約1万社の企業に採用されているという。