NECは2009年3月9日,経済産業省が推進する「アジアオープンイノベーション環境整備事業」を通じ,ベトナム政府のオープンソース・ソフトウエア(OSS)調達ポリシー策定などを支援したと発表した。同ポリシーは,政府のITシステム調達時にオープンスタンダードに従ったシステムを調達する方針を示したもの。プロプライエタリなソフトウエアと同条件であれば,オープンソース・ソフトウエアを優遇する。

 NECはベトナム情報通信省(MIC)とともに,(1)OSSポリシーの策定,(2)推奨OSS推奨リストの作成,(3)調達決定者向けOSS研修教材の作成を行った。また(4)調達決定者向けワークショップ(セミナー)を開催した。三菱総合研究所も本事業に協力している。

 (1)OSSポリシーは,OSSの解説とOSS調達ポリシーで構成する。調達ポリシーに沿った提案依頼書(RFP:Request for Proposal)を作成するためのテンプレートも作成した。このOSSポリシーは,情報通信大臣により法律として公布される予定である。

 (2)OSS推奨リストは,ベトナム政府および公的機関での採用に適した34カテゴリ,59種のオープンソース・ソフトウエアを選出し推奨リストとしてまとめたもの。うち10種については動作検証も行っている。

 (3)調達決定者向けOSS研修教材は,OSS調達の意義や留意点、実際の調達の進め方などを記載。全省庁のIT部局の局長と副局長を対象としている。

 (4)調達決定者向けワークショップは2009年2月20日に開催され,ベトナム情報通信省の副大臣,中央省庁・自治体のIT部局員など約150名が参加したという。