気象庁から報道機関などに気象データを配信する「電文形式データ配信システム」が2009年3月9日午前3時10分にダウンしたのは、ハードウエアの故障が引き金となっていたことが分かった(関連記事)。

 電文形式データ配信システムは、「富士通製UNIXサーバー(OSはSolaris)などで動作している」(気象業務支援センター)。このサーバー内部のCPUボードが故障した。

 電文形式データ配信システムは、本番系と予備系からなる「ホットスタンバイ方式」の二重化構成を採用していた。CPUボードの故障は本番系サーバーで発生した。本来ならすぐに予備系サーバーが起動するはずだったが、そうならなかった。予備系サーバーが、起動に必要な本番系からの引き継ぎ情報を正しく読み込めなかった。

 引き継ぎ情報は、本番系と予備系のどちらからもアクセス可能な共用ディスクに格納していた。共用ディスクに関連するハードもしくはソフトの不具合が重なったとみられる。

 気象業務支援センターは、本番系サーバーのCPUボードを交換してから、予備系をいったん停止して二重化構成を解除し、本番系だけを起動するなどの復旧作業を試みた。それでもシステムを稼働させることができなかった。

 3月9日午後8時現在、システムはまだ正常稼働には戻っていない。気象業務支援センターは復旧作業と共用ディスクの異常の原因調査を続けている。

■変更履歴
公開当初、気象業務支援センターへの問い合わせ結果に基づき、UNIXサーバーをサン・マイクロシステムズ製と記述しましたが、その後の再取材で、富士通製であることが分かりましたので訂正します。本文は修正済みです。 [2009/03/10 13:30]