オンライン・クラシファイド広告サイトを運営する米craigslistは,米イリノイ州クック郡保安官が同社を提訴したことを米国時間2009年3月6日に明らかにした。craigslisではこれに対し「申立内容は,法律に基づいておらず,却下されるべき」と反論している。

 craigslistは,過去にも性的内容の広告掲載に関して責任を追及されたことがあり,2007年半ばから後半にかけて同保安官とも頻繁に協議を重ねたという。2008年11月には,イリノイ州を含む全米40州の検事総長と合意し,犯罪者による同社サイトの悪用を防止するための複数の手段を導入した。

 具体的には,性的サービス広告について電話によるユーザー・アカウント照合,不適切な広告の削除,アダルト・カテゴリにおける18歳未満禁止,人身売買や児童ポルノ撲滅キャンペーンへの参加などを実行している。

 しかし今回,Thomas Dart保安官はイリノイ州検事当局を通さず,民間の法律事務所を通じて同氏を提訴した。米メディアの報道(CNET News.com)によると,Dart氏はcraigslistが売春の国内最大の温床になっていると主張し,性的サービス・カテゴリの撤去を命じるよう裁判所に求めているという。

 同社CEOのJim Buckmaster氏は,「2007年に法務顧問が説明したとおり,craigslistはユーザーが出稿した広告コンテンツに関して連邦法違反の責任を問われるものではない」と答えている。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]

■変更履歴
タイトルおよび本文第一段落で「クック群」としていましたが,正しくは「クック郡」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/03/09 16:25]