WOWOWの和崎信哉・代表取締役社長
WOWOWの和崎信哉・代表取締役社長
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 WOWOWの代表取締役社長の和崎信哉氏(写真)は2009年3月5日の定例会見で,2011年7月24日までにBSアナログ放送を終了してBSデジタル放送に完全移行する計画について,「2011年7月24日の期限を動かす検討はまったくしていない」と述べた。

 報道関係者などとの質疑応答の際に,「地上波放送の完全デジタル移行の延期もあり得る状況になったが,これについてどう考えるか」という質問を受けて,自社のBSアナログ放送の終了時期は引き延ばさないという見解を示した。さらに「我々がターゲットにする視聴者層の家庭にはデジタル放送受信機が順調に普及している」として,視聴者側のBSデジタル放送の受信環境が整いつつあると述べた。

 WOWOWは2009年2月に,VHF帯ローバンド(第1~第3チャンネル)を利用したマルチメディア放送の運用規格の策定などを目指す「VHF-LOW帯マルチメディア放送推進協議会」に加入した。同協議会に加入した理由を尋ねる質問に対しては,「BSデジタル放送に軸足を置きつつ,コンテンツを様々なところにアウトプットするという戦略の中で,VHF帯ローバンドの規格で何ができるのかを(ほかの参加者と)一緒に議論していく」とした。ただし現在は,「すぐに事業計画を作成するという状況ではなく,あくまで規格化づくりを一緒にやっていく状態だ」という。

 「経営環境は厳しい。2009年3月期業績の修正はあるのか」という質問に関しては,「2009年1月に上方修正をしており,この数字を動かす気はない」と回答した。さらに,「広告収入を中心としたBtoBのビジネスモデルを採用する民放キー局は,打撃を直接受けている。当社は加入者からの視聴料をベースにしたBtoCのビジネスモデルだ」として,景気低迷がWOWOWに与える影響は限定的とする見方を示した。