日本IBMは3月4日、LotusのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)である「LotusLive」を、日本では2009年半ばから後半にかけて開始することを明らかにした。「LotusLiveを投入することで、提供形態が拡充できる。これまでシェアを獲得できていなかった中堅以下の企業にも勝負していく」(澤田千尋ソフトウェア事業ロータス事業部長)。

 LotusLiveは、Web会議やメール、ファイル共有などの機能がある。既存のLotus製品を基に、SaaSとして提供するために買収した企業の技術を付加した。Web会議、ソーシャルネットワーク、メールの三つの機能からなり、個別でも組み合わせても利用することができる。価格やサービスレベルについては4月以降に正式に発表する。

 LotusLiveが狙うのは、主に従業員が1000人以下の企業。「1万人以上の企業になると、必ずしもSaaSでコストメリットが出るとは限らない」(澤田事業部長)からだ。販売の主体はパートナー経由だが、パートナー支援策については、「まだ確定していない」と澤田事業部長は述べる。

 1万人規模の大企業向けには従来通り、パッケージ製品の販売が主軸となる。Notes/DominoのバージョンアップやNotes以外のLotus製品の拡販に注力する。澤田事業部長は、「2008年後半から大企業では、グループや各国の拠点でグループウエアなどを統一する大型案件が増えている。こうした企業には、パッケージ製品が向いている」と話す。報奨制度を拡充したり、技術者の表彰制度を設けたりするなど、パートナー支援策も強化する。