カナダのNortel Networksは,2008年第4四半期と通期の決算を現地時間2009年3月2日に発表した。第4四半期の売上高は27億2000万ドルで,前年同期から15%減少した。純損失は21億3500万ドル(希薄化後の1株当たり損失は4.28ドル)で前年同期の8億4400万ドル(同1.70ドル)から赤字が大幅に拡大した。

 損失拡大の主な要因として,同社は営業権評価損や繰り延べ税金資産に関連した非現金費用の21億9000万ドルが含まれていることを挙げている。

 一方,通期の売上高は104億2000万ドルで前年から5%減少し,純損失は57億9900万ドル(希薄後の1株当たり損失は11.64ドル)となった。前年同期の純損失は9億5700万ドル(同1.98ドル)だった。

 同社は同日,CFO(最高財務責任者)のPavi Binning氏をCRO(最高再建責任者)に任命したと発表した。

 同社は,2009年1月14日に米連邦破産法11条の適用を申請しており,カナダでは企業債権者調整法(CCAA)に基づく保護を申請している。EMEA(欧州/中東/アフリカ)事業についても,欧州で同様の手続きをした。また,同社は同月,長期的な競争力確保に向けて焦点を絞り,キャリア向け事業の強化と投資管理の向上を図るために,モバイルWiMAX事業から撤退することを明らかにしている(関連記事)。

 このほかにも,2月には以前に発表したリストラ策に加え,数カ月かけて国内外で3200人を解雇する追加の従業員削減策を発表している(関連記事)。

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