スローガンを掲げる発起人の面々
スローガンを掲げる発起人の面々
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 インターネットの安心・安全な利用環境の整備を図る「安心ネットづくり促進協議会」が2009年2月27日に設立総会を開催,正式に発足した。同協議会は,2008年10月に発起人が集まり,概要を明らかにしていた。発足時点での総会員数は,173団体・個人である。

 同協議会発足の背景にあるのが,若年層を中心とする,インターネットに関連したトラブルの増加である。そこで2008年6月に「青少年インターネット環境整備法」が成立,2009年4月1日に施行されることになったが,同整備法では民間の自主的な取り組みへの期待,ICT(情報通信技術)に関するリテラシー強化を求めている。

同協議会は,この流れの中で,個々に行われてきた民間の活動を連携させる狙いで設立された。具体的な活動としては,啓発活動のほか,違法・有害情報が青少年に与える影響の調査,児童ポルノへの対策,コンテンツ・レイティングの導入などが挙げられている。それぞれの作業部会を設けて,実践に移すことになる。

 27日の総会では,大阪大学の鷲田清一総長を会長に選出した。鷲田会長は,「青少年インターネット環境整備法は当初,“ネット規正法”と言われたが,過度な規制はせずに,自ら問題の解決を図ろうという目的に賛同した」と会長職を引き受けた理由を説明,同協議会の取り組みをきっかけとして自発的な活動が広がり,諸外国のモデルケースになることを期待すると述べた。さらに同会長は,協議会のスローガンとして「1億人のネット宣言 もっとグッドネット」を掲げることを発表した(写真)。