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[ITproカンファレンス:拡張現実]“電脳コイル”実現に向け遺跡を復元---東大,アスカラボ

島田 昇=日経コミュニケーション 2009/02/26 日経コミュニケーション
写真1●東京大学大学院情報学環池内研究所・特任講師の大石岳志氏(写真:後藤究)
写真1●東京大学大学院情報学環池内研究所・特任講師の大石岳志氏(写真:後藤究)
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写真2●アスカラボ代表取締役の角田哲也氏(写真:後藤究)
写真2●アスカラボ代表取締役の角田哲也氏(写真:後藤究)
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 2009年2月26日に開催した拡張現実(AR:Augmented Reality)技術に関するITproビジネス・カンファレンス「AR(拡張現実)ビジネスの最前線」で,東京大学大学院情報学環池内研究所・特任講師の大石岳志氏(写真1)とアスカラボ代表取締役の角田哲也氏(写真2)が「ARを用いた遺跡復元」について講演した。

 遺跡復元として選択したのは,奈良県明日香村にある飛鳥京。2005年から同地で,毎年秋に実証実験を行っている。東京大学がその実現に向けて技術面をサポート,アスカラボがバーチャル飛鳥京システムの実用化を軸に,AR技術を用いた新たな産業の創出を目指すというプロジェクトの一環となる。

 遺跡復元はこれまで,遺跡の建物が現存しない地域に当時の遺跡を実際に復元するという手法が主流だった。ただ,これには数百億円の投資が必要となり,遺構を破壊することにもつながる。一方でコンピュータ・グラフィックスを活用した復元もあるが,これでは現地で臨場感をもって遺跡を体感できないという問題も抱える。こうしたこれまでの2つの遺跡復元手法に対し,そのメリットとデメリットを掛け合わせた遺跡復元手法として,近年,注目されるようになったARを用いることとなった。

陰影も付け「現実に溶け込む臨場感を達成した」

 これまでにもARを用いた遺跡復元の事例はあったが,そこには技術的な課題もあった。

 まずは光学的整合性と呼ぶ陰影付けの問題。つまり,天気の変化など光源環境の変化を,ARで映し出すコンピュータ・グラフィックスで表現される仮想物体に反映できないという点だ。これについては実際の場所にある光源環境のデータを取得し,これを仮想物体の全方位から明るさを計算することで仮想物体表面の明るさを表現。これに仮想物体の平面で影付けした情報を組み合わせることで,MRシステムと呼ばれる眼鏡型の端末を軸としたコンピュータ・システムを通じて見ると,仮想物体を全方位から見た際に,リアルタイムで光学的整合性が取れるようになった。これにより,「どこから見ても実際の空間との融合に違和感なく仮想物体,遺跡を見られるようになった」(大石氏)。

 また,人物の重ね込みができないという問題もあった。仮想物体が見える周辺に人が通ると,人と仮想物体が現実世界で見えるように重なった状態で見られないという問題だ。これについて,人物の画像だけを抽出し,そこから影情報を取り除き,仮想物体との位置情報の距離で,仮想物体の手前にいれば人物が重なり,奥にいれば人物を表示しないという見せ方を実現させた。

 こうした技術面に関するアンケート調査を行ったところ,光学的整合性の問題解決においては「美しい」「醜い」など肯定・否定の感想を対にした約25項目すべてにおいて,肯定的な意見を得られたという。またアンケートからは,「『現実感』『新鮮さ』『娯楽性』などがARのコンテンツにおいては重要であることが分かった」(大石氏)。

「Google Earth」ならぬ「Augmented Earth」を構想

 こうしたバーチャル飛鳥京システムの実用化に向けた実証実験を経て,アスカラボは2008年6月に設立された。遺跡復元のほか,アミューズメントパークやゲームセンターでの実用化における受託開発で当初は収益を得て,「今後は,建設業界や電気メーカーなどに向けてARシステムを実現させるためのソフトを販売していきたい」(角田氏)。さらには仮想広告を切り口に,広告代理店などに対してもARを活用したビジネス提案で,将来的な収益拡大を見込む。

 また,「Augmented Earth」と呼ぶ構想を披露した。3Dのソフトを無償で提供して,一般ユーザーから世界規模で現実空間に重ねる仮想物体を制作してもらう展開が大筋の内容となる。Googleが展開する「Google Earth」と近いイメージで,これにARを組み合わせたものと考えていいだろう。

 ARの普及を実現する重要な端末については,アスカラボはARディスプレイの開発も進めているという。角田氏は,現時点で有望視されているものとして,展望台にある望遠鏡のように100円を投入したらARの風景が見られるというような据え置き型特殊端末や,そのほか3次元ディスプレイなどを紹介した。

 さらに角田氏は「10年~20年先には(ARが普及した世界を描いたアニメーション)電脳コイルのような世界が実現する」として,携帯電話を眼鏡のようにして装着する「ヘッドマウント携帯電話」などについても,将来的なARを支えるアイデアとして披露した。

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