写真1●「UQ WiMAX」試験サービスの開通式<br>右から4人目がUQコミュニケーションズの田中孝司代表取締役社長。KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長(右から3人目)など関連会社の代表者も集まった。
写真1●「UQ WiMAX」試験サービスの開通式<br>右から4人目がUQコミュニケーションズの田中孝司代表取締役社長。KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長(右から3人目)など関連会社の代表者も集まった。
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写真2●端末にはUSBドングル型のほか,カード型もある
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 UQコミュニケーションズは2009年2月26日,IEEE802.16e方式のモバイルWiMAX技術によるモバイル・データ通信サービス「UQ WiMAX」の試験サービスを開始した。同日に開催した開通式で田中孝司代表取締役社長は「今日時点ではまだ500局の基地局しかないが,今後多くの基地局を建設し,WiMAXのエリアを日本中に拡大する」と意気込みを示した(写真1)。

 試験サービスの発表後,約2万人のモニター応募があったという。そのうち抽選で選んだ5000人には,本日の午後3時以降に端末を送付したという(写真2)。通信速度は下り最大40Mビット/秒,上りは最大10Mビット/秒。

 基地局は東京23区,横浜市,川崎市に約500局を設置した。2012年度末までには約2万局を設置し,90%以上の人口カバー率を実現するという目標を立てている。現状の基地局の数はそのうちの2.5%の過ぎないが,「5000人のユーザーと500局の基地局から,真のモバイル・ブロードバンドの世界に向けて出発する」と田中社長は語り,今後の通信エリア拡大という目標を強く打ち出した。

 続いて,総務省の石崎岳総務副大臣が挨拶し「厳しい経済状況の中で打開の鍵はICT(情報通信)産業と確信している」として,2015年から2020年にかけては情報通信産業の市場規模を現在の2倍の200兆円にする準備を進めていると説明。市場拡大を目指す上で「UQ WiMAXのスタートは象徴的な出来事。最新技術で日本の市場にインパクトを与え,低迷経済の起爆剤になってほしい」とエールを送った。

 インテルの吉田和正代表取締役社長は2012年末までに人口カバー率90%という目標について「海外でも,ここまで具体的な計画を示したサービスはない」として,世界に誇れる事例だと賞賛した。7月にはインテルのWiMAXモジュールを搭載したノート・パソコンが複数登場するという見込みを示した。国内外の複数のパソコン・メーカーが関心を寄せているという。

 なお,同日にはインターネット接続事業者(ISP)のNECビッグローブが,7月以降にMVNO(仮想移動通信事業者)としてUQ WiMAXを利用するデータ通信サービスへの参入を表明した。3月16日から同社のユーザーを対象にモニターを募集し,4月1日から試験サービスを始める。MVNOへの参入は,ほかにISPのニフティなど17社が検討しているという。

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