政府と重要インフラ事業社各社は2009年2月26日、情報システムの障害を防ぐためにセキュリティ情報を分野横断で共有する任意団体「セプターカウンシル」を創設した。年1回の総会などで各分野ごとに蓄積した情報や対策事例を共有していくことで、サービスの停止や低下を防ぐ。日本で初めての試みであり、各分野で培ったノウハウや対策を共有する狙い。

 「セプター」とは重要インフラ10分野(情報通信、金融、航空、鉄道、電力、ガス、政府・行政、医療、水道、物流)の分野ごとに事業者が集まって情報セキュリティの情報共有や分析を行う集まりだ。事業範囲の広さを勘案して、情報通信分野は二つ、金融分野は四つのセプターに分かれており、合計で14のセプターがある。06年から2年をかけて整備が進んだ。

 今回、カウンシルは11のセプターで構成する。07年に整備された鉄道、医療、物流のセプターはオブザーバーとして参加する。オブザーバーには経団連や日銀、監督官庁などが名を連ねており必要に応じて政府機関とも意見交換を行う。

 議長には情報通信分野の電気通信事業のセプターである「T-CEPTER」の伊藤泰彦氏が就任した。伊藤氏はKDDI代表取締役執行役員副社長と日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議会長も務めている。副議長には金融分野から証券CEPTERの大久保良夫氏(日本証券業協会専務理事兼CIO)が就任した。