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[ITproカンファレンス:拡張現実]ARは枯れた技術,新サービスがブレークスルー生む---暦本教授

松元 英樹=日経コミュニケーション 2009/02/26 日経コミュニケーション
写真1●基調講演をした東京大学大学院情報学環教授 理学博士 ソニーコンピュータサイエンス研究所インタラクションラボラトリー室長 クウジット創業者兼特別顧問 暦本純一氏(写真:後藤究)
写真1●基調講演をした東京大学大学院情報学環教授 理学博士 ソニーコンピュータサイエンス研究所インタラクションラボラトリー室長 クウジット創業者兼特別顧問 暦本純一氏(写真:後藤究)
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写真2●暦本氏が1994年に作成したハンドヘルド型のARデバイス
写真2●暦本氏が1994年に作成したハンドヘルド型のARデバイス
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 2009年2月26日に開催した拡張現実(AR:Augmented Reality)技術に関するITproビジネス・カンファレンス「AR(拡張現実)ビジネスの最前線」の基調講演に,東京大学大学院情報学環教授 理学博士でクウジット創業者兼特別顧問の暦本純一氏が登壇(写真1)。暦本氏は,これまで開発してきたアプリケーションを紹介しながらAR技術の可能性を語った。

 AR技術を使うことで,画面に現実世界と仮想世界をオーバレイさせることが可能になる。こうした仮想と現実を融合する技術は,たとえば映画のターミネーターや,アニメのドラゴンボールのスカウターのようなSFの世界では,繰り返し表現されてきた。暦本氏は,ARを「コンピュータを介し,人間が自然にリアルワールドに働きかけることができる人間強化型の技術」と定義。これに対してバーチャル・リアリティ(VR)は,コンピュータ内部の情報に閉じた技術であるという。

 ARを実現するために必要となるのが状況を認識する技術である。この技術はコンテキスト・アウェア・コンピューティングと呼ばれる。例えば,歌舞伎座で使われているレシーバーでは,演者が話す台詞に合わせて,解説のナレーションが流れる。このようにユーザーが見ているものや状況に合わせて,的確な情報を出すための技術こそがコンテキスト・アウェア・コンピューティングである。

 暦本氏がソニーでAR技術の研究を本格化させたのは1994年。カメラと液晶テレビを組み合わせたデバイス(写真2)を作成し,QRコードのようなバーコードを認識して画面上に情報を表示できるようにした。さらにジャイロセンサーと組み合わせて,廊下のバーコードを読むと道案内が出るような仕組みも作った。

 暦本氏はさらに磁気センサーと組み合わせて,センサーの位置を認識して画面上ではグラフィックスを表示させるシステムも作成したが「広い空間でセンサーをすべての場所に置くのは非現実的」であり,携帯電話などに向けたサービスには向かないという。

 96年には,マークの形状を認識して撮影しているカメラの向きを認識できるようにする技術「CyberCode」を開発。これによって,飛び出す絵本や,コードが書かれたキューブの中にアニメのCGを入れるといった表現が可能となった。この技術を応用し,ソニーのゲーム部隊と連携して発展させたものが,プレイステーション3用のゲーム「THE EYE OF JUDGEMENT」である。従来はARの画像処理をするために大きなサーバーが必要だったが,現在では処理能力の面で「コンシューマーのゲーム機でもまったく問題ない水準。ポータブルゲームでも問題ない」(暦本氏)。

 自然画像をそのままマーカーとして利用しようとする研究も進みつつある。ただし,世の中のシーンすべてを情報化して端末で受け取るとなれば,情報量が膨大になってしまう。そこで,無線LANアクセス・ポイントが発信するビーコン信号のIDを受信して,位置情報を取得できる技術「PlaceEngine」と組み合わせるといった方法もあるという。

 今後は,可視光通信とAR技術を組み合わせることも考えられると歴本氏は指摘する。たとえば,街中の広告用の看板に使われているLEDを高速点滅させてデータを送信し,ユーザーの画面上に情報を表示できるようにする。

 最後に暦本氏は,マーカー式のARは既に枯れた技術であるが,自然画像を認識するマーカーレス型はまだ計算量や安定性で発展途上であると説明。AR技術をビジネスとして成立させるには,映像と情報を組み合わせるシースルータイプのサービスのみならず,新たな可能性も探るべきだという。AR技術を使ったサービスの「インタフェースのアイデアは以前から変わっていないが,新たなプレーヤやサービスが増えれば新たなブレークスルーが生まれるのでは」と期待をかけた。

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