写真●エルティ総合法律事務所 所長の藤谷護人弁護士
写真●エルティ総合法律事務所 所長の藤谷護人弁護士
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 IT紛争の早期解決を目的に設立した「IT-ADRセンター」は2009年2月25日、キックオフミーティングを開催した。ADR(Alternative Dispute Resolution)とは裁判以外の方法でトラブルを解決するためのもの。弁護士の藤谷護人センター長(写真)は「IT紛争には企業のビジネススピードに合わせた早期の解決が求められる。裁判所より民事調停、そしてさらなる早期解決を実現するのがADRだ」と強調した。

 ミーティングで藤谷センター長は、IT-ADRセンターが打ち出す「3カ月主義」「専門的納得」「公正中立性」を説明した。「ITは専門技術性の壁が高く、このためIT紛争では裁判所の判断には専門的納得性が得られないこともあった。解決までの期間も長く、解決を待つ間の損益も大きい。トラブルにかかわる双方にとってプラスにならない」と藤谷センター長は続けた。

 同センターは、弁護士からなる「法律ADR委員」とITベンダー出身者や企業・公的機関などの情報システム部門出身者からなる「専門ADR委員」で構成する。これらの専門知識を有する委員が、ITにかかわる紛争に際して中立の立場で紛争の早期解決を図る。

 IT-ADRセンターは、藤谷弁護士が所長を務めるエルティ総合法律事務所が昨年9月に設立した。これまで弁護士会などを通じて広報活動を行い、本日までに2件の問い合わせがあったという。