写真●EMCジャパンの雨堤政昭プロダクト・マーケティング・マネージャ
写真●EMCジャパンの雨堤政昭プロダクト・マーケティング・マネージャ
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 EMCジャパンは2009年2月25日、NAS/iSCSI/FC統合ストレージ「Celerra」シリーズの新製品を発表した。ファイルサーバーとして使用した場合に保存しているデータの容量を最大50%圧縮できることが特徴だ。

 新製品は「NS-120」「NS-480」「NS-960」と、NASゲートウエイの「NS-G8」。NS-120/480/960は、「CLARiX CX4」をベースにしたストレージにNASゲートウエイを組み合わせたもの。NS-960はNASゲートウエイとしてNS-G8を搭載。同-120と480は既存のNASゲートウエイ「NS40G」を搭載する。

 圧縮は90日以上アクセスがない「非活性データ」を対象とし、NASゲートウエイで実施する。NS-G8および、OSをアップデートしたNS40Gは、利用頻度の高い「活性データ」と「非活性データ」を自動的に分類する機能を備える。EMCジャパンの雨堤政昭プロダクト・マーケティング・マネージャ(写真)によれば「当社の経験上、ファイルサーバー内のデータの3分の2は非活性データ」という。その非活性データのみを圧縮対象とするため、「本番環境への影響を最小限にしながらサーバー内の保存データ容量を減らせる」(同)。

 非活性データの圧縮は、符号化などの一般的な圧縮技術を利用するほか、ファイルレベルでの重複を調べて重複分を削除する。EMCは別製品でブロックレベルで重複除外を行う「Avamar」技術などを推進しているが、今回の新製品では採用しなかった。その理由を雨堤マネージャは、「ブロックレベルの重複除外はNASゲートウエイのCPUへの負荷が大きい。バックアップデータには最適だが、常にユーザーがアクセスしているファイルサーバーには向かない」と説明する。

 データの分類・圧縮は常時行っているが、NASゲートウエイのCPUの利用率が一定量を超えると一時的に停止するといった設定が可能。また非活性データの定義はデフォルトでは「90日以上利用していないデータ」だが、その日数を自由に変更できる。

 搭載可能な最大データ容量は、NS-120が64Tバイト、NS-480が192Tバイト、NS-960が760Tバイト。それぞれ、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)にも対応する。NS-120とNS-480は2月25日から、NS-960とNS-G8は3月2日から出荷する。それぞれの価格は公表していない。NS40GのOSアップデートは、保守契約をしていれば無償。