ヴイエムウェアは2009年2月25日、vCenter Serverのフェールオーバー機能「VMware vCenter Server Heartbeat」を発表した。仮想環境を管理するvCenter Serverの可用性が高められる。3月よりパートナを通じて提供開始する。

 vCenter Server Heartbeatは、待機系のサーバーにvCenter Serverを複製したり、フェールオーバーしたりできる。このタイミングでの投入は、今後vCenter Serverの機能が増え重要性が高まることを見据えたもの。同社は08年9月、仮想化ソリューション「VMware Infrastructure 3」を「Virtual Datacenter OS(VDC-OS)」に発展させるコンセプトを掲げた。その中で従来のVirtual CenterをvCenterに名称変更すると同時に、機能拡張を進める計画である。具体的には、プロビジョニングや構成管理、キャパシティ管理機能などを加える予定だ。

 vCenter Server Heartbeatの利用により、vCenter Serverが単一障害点となることを防げる。「一般のクラスタリングソフトで可用性を高めることも考えられるが、HeartbeatはLAN環境だけでなくWAN環境でも切り替え可能なことがメリットである」(ヴイエムウェアの名倉丈雄 テクニカル アライアンス マネージャ)。

 vCenter Server Heartbeatはフランスで開催中の仮想化に関するイベント「VMworld Europe 2009」で発表した。同様に「VMware vShield Zones」も発表された。これは、グループ化した仮想マシンに対してセキュリティ・ポリシーを設定する機能を備える。

 クライアント・ハイパーバイザーの提供についてIntelと協業することも明らかした。インテルのvProテクノロジーに向けて最適化したハイパーバイザー「VMware Client Virtualization Platform(VMware CVP)」を開発し、2009年後半に出荷する計画である。Citrix Systemsも、Intelと共同でvProテクノロジー向けに最適化したクライアント・ハイパーバイザーを開発中である(関連記事:シトリックス、XenDesktop新版でデスクトップ・ストリーミング追加 )。