米Googleの社会貢献部門Google.orgで執行ディレクタを務めるLarry Brilliant氏は,同職を退くことを,同社の公式ブログで発表した。同氏は今後,社会貢献活動エバンジェリスト主任として官民の連携を後押ししたり,政策立案者への働きかけを行う。同氏の業務は,Google,New Business Development部門担当副社長のMegan Smith氏が引き継ぐ。

 医師および疫学者であるBrilliant氏が執行ディレクタの職に就いたのは3年前。同氏はWHO(世界保健機構)に務めた経歴を持ち,インドで約10年間,天然痘とポリオの撲滅に取り組んでいた。またテクノロジ分野ではオンライン・コミュニティ「The Well」の立ち上げに貢献した。

 また同氏は今後,Google.orgが行う支援や投資は,Googleの事業とより関連性の高いものに重点を置くことを明らかにした。Brilliant氏はその理由を「過去3年間のGoogle.orgの取り組みを調査しところ,技術と情報分野における当社の強みを生かしたプロジェクトが,最も大きな成果を上げていることが分かったため」と説明している。同氏はその例として,インフルエンザ流行分析サイト「Flu Trends」やコンセントから充電するプラグイン・ハイブリッドカーの普及促進を目指す「RechargeIT」,電力削減用ソフトウエア「PowerMeter」などを挙げている(関連記事1:Google,プラグイン・ハイブリッドカー普及促進に1000万ドル超出資へ,関連記事2:米Google社,スマートメーターと連携する消費電力削減用ソフトウエア・ツールを開発中)。

 Googleは2004年に,同社株式と年間利益の各1%を社会貢献活動に費やす意向を明らかにしているが,その方針は今後も変わらないとしている。

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