医薬品ネット販売検討会スタート、三木谷楽天社長が猛反論舛添厚生労働大臣「すべての国民に安全に医薬品を」厚生労働省は2009年2月24日、「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を開催した。 厚生労働省は、2009年6月1日に施行される「薬事法の一部を改正する法律」の省令を2009年2月6日に公布。その内容は、インターネットを含む通信販売では、リスクの低い一部のものを除いて一般用医薬品の販売禁止というもの。「対面販売」を原則とし、それを実現し得ないネット販売などを規制した。 省令案が発表されて以降、ネット事業者はその省令案に対して猛反発。それでも厚労省は“医薬品のネット販売規制”の姿勢を崩さず、省令を公布した。一方で、2009年1月23日に舛添要一厚生労働大臣が大臣直属の検討会を発足させると発言。検討会でさまざまな方面からの意見を聞き、今一度議論をする必要があると言明したことで、今回の検討会発足となった。 検討会のメンバーは、座長の北里大学名誉教授の井村伸正氏、全国伝統薬連絡協議会の綾部隆一氏、慶應義塾大学総合政策学部教授の国領二郎氏、日本薬剤師会会長の児玉孝氏、日本オンラインドラッグ協会理事長の後藤玄利氏、楽天の執行役員の関聡司渉外室室長など計19名。楽天は、検討会のメンバーとして関氏が選出されているが、三木谷浩史社長が参加した。 舛添大臣は冒頭の挨拶で「すべての国民に安全に医薬品を届けるにはどうしたらいいかを話し合いたい。その安全対策は国の責務であり、国民的議論として行っていく」と述べた。 検討会では、「対面販売を基本としなくては、安全性は担保できない」という“ネット販売規制派”と「医薬品の情報提供においては、ネットの方が確実に行える」という“ネット販売擁護派”の対立構造が如実に表れた。 “規制派”の全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかり氏は、外出するのが困難な高齢者や障害者の利便性が損なわれるというネット事業者の主張に対し「高齢者や障害者の方の購入と言うが、そういった方たちこそ、対面でそれぞれの状況に合わせた説明を行って医薬品を購入してもらう必要がある」と主張。それに対し、“擁護派”が「ネットでは説明責任の担保は100%取れる。情報提供の面でネット販売の方がその役割は果たせるはずだ」(楽天の三木谷浩史社長)と反論。公での両派の対面は初めてだっただけに、お互いの主張が乱れ飛ぶ舌戦となった。 こうしたやり取りに対し、消費者行政推進会議のメンバーでもある一橋大学大学院法学研究科の松本恒雄教授は「対面での購入というのは当然、効果はある。インターネットがほかの販売方法に比べて圧倒的に劣っているのかということの議論は必要。一方で匿名性などにおけるネットのマイナス面もある。さまざまな長所短所をしっかり見据えながら検討することが第一」と冷静な議論を呼びかけた。 楽天の三木谷社長が「なぜ、ネットだけがいじめられるのかが分からない。結論ありきの検討会ならやめてほしい。僕らは業界全体で安全対策の業界ルールを考えている。その方法を説明させてもらえる時間を5分くらいくれたっていいじゃないか!」と声を荒げる場面もあり、検討会は第一回目から紛糾した。引き続き検討会は開催される予定で、三木谷社長は「次回も私が来る」と引き続き戦っていく姿勢を明らかにした。 |