米国の調査会社Nielsenは2009年2月23日(現地時間),テレビとインターネット,モバイル機器の3つの機器を対象としたテレビ番組やビデオの視聴動向に関するレポートを発表した。レポートによると,米国人のテレビ/ビデオの平均視聴時間は,過去最高の月間151時間3分(対前年同期比3.6ポイント増)だった。加えて,インターネットでビデオ視聴する人の平均視聴時間は月間2時間53分,モバイル機器でビデオ視聴する人の平均視聴時間は月間3時間42分だった。デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)などを利用したタイムシフト視聴の平均視聴時間は,月間7時間11分(対前年同期比33ポイント増)だった。

 18歳から24歳の若年層ではインターネットによるビデオ視聴が月間5時間1分,タイムシフト視聴が月間5時間3分とほぼ横並びとなった。レポートではこの結果が今後のビデオ視聴の方向性を示す指標となりうると指摘している。

 今回の調査結果に関してNielsenのSusan Whiting取締役副会長は,「米国人のテレビやビデオコンテンツに対する関心は衰える気配がない。消費者はこれまで以上にテレビやインターネット,モバイル機器を使って番組を視聴している。消費者は利便性,画質,アクセスのしやすさといった要素を考慮し,一番よいと思える方法で番組を視聴しているようだ。インターネットやモバイル機器の重要性は高まっているが,依然としてテレビが番組視聴の主流であるのは明らかである」とコメントした。

 そのほか,調査結果に見られた特徴的な傾向は次の通りである。

(1)10代の視聴者を除き,テレビの視聴時間は年齢と共に増加する。インターネットによるビデオ視聴のピークは若年層にあり,モバイル機器による視聴は10代が最も高い。
(2)男性は女性よりもより長時間モバイル機器でビデオを視聴している。反対にインターネットとテレビによるビデオ視聴は,女性の方が長時間である。
(3)平日のインターネットによるビデオ視聴は,日中に見られる傾向がある。平日に見られるストリーミングコンテンツの61%が午前9時~午後5時の間に集中しているのに対し,週末の場合は午前6時~午後8時の間に見られているものは51%に留まる。
(4)モバイル機器によるビデオ視聴は前の四半期比9ポイント増と高い成長を示し,1100万人の米国人が利用するまでに拡大した。利用者の平均視聴時間も,前の四半期の月間3時間37分から今期の月間3時間42分へと2ポイント増加した。

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