写真1●モトローラのLTE実験車両
写真1●モトローラのLTE実験車両
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写真2●デモのルート<br>会場外のホテルに2つの基地局を設置し基地局間でハンドオーバーさせた。
写真2●デモのルート<br>会場外のホテルに2つの基地局を設置し基地局間でハンドオーバーさせた。
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写真3●HD画質の動画(8Mbps)を2本同時に受信する様子を見せた
写真3●HD画質の動画(8Mbps)を2本同時に受信する様子を見せた
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 米モトローラはMobile World Congress 2009に併せて,バルセロナ市内でLTEの屋外実験を実施した。LTEの通信機能を備えた実験車両(写真1)を用意し,会場外のホテルに設置した2つの基地局の周りを移動させた(写真2)。複数のHD画質の動画を伝送する様子などを披露した(写真3)。

 試験環境は,2.6GHz帯,10MHz幅×2のFDDシステムで,アンテナはSIMO(single-input multi-output)となる。実際に実験車両に乗ってみたところ,ビル影などで多少映像が乱れるような部分もあったが,見通しのよい場所では走行しながらでも安定した動画を見られた。また基地局を切り替えるハンドオーバーの瞬間は一瞬ノイズが出たものの,すぐに安定した動画再生に戻った。

 同社の担当者は「LTEは,データ通信サービスにクオリティという新しい価値を加えられる。これまでデータ通信サービスは定額制が基本で多様なサービスを作りにくかったが,LTEはクオリティによって差異化したサービスを作れるようになる」と説明。LTEがデータ通信サービスに多様化をもたらすという将来像を示した。