行政サービスの満足度で日本は21カ国中20位―─。アクセンチュアが2009年2月19日に発表した「各国政府の顧客サービス成熟度調査2008」によると、日本の行政サービスに対する市民の満足度が極めて低いことが分かった。利用者ニーズに応じたサービスを望む声が多いのにもかかわらず対応できていないことや、顧客サービスに市民の声が反映されていないと感じていることなどが原因という。「満足度の高いサービスを実現するためには、例えばサービス設計段階から市民の声を聞くなど市民の声を反映するメカニズムを強化していくのが有効」とアクセンチュアの吉竹正樹パートナーは提言する。

 調査は日本を含む21カ国が対象。2008年5月から同年6月にかけて21カ国の市民約8600人(このうち日本は約400人)への電話調査と政府高官42人への聞き取り調査を基に集計した。

 「“よりよい生活の提供”という点で、あなた方は今の行政に満足していますか」という問いに対して、「とても満足している/満足している」(満足)と回答したのは日本が12%で21カ国中20番目。「全く満足していない/満足していない」(不満)との回答は49%にも上った。

 最も満足度が高かったのはシンガポール。回答者の59%が満足と回答したのに対して、不満と回答したのはわずか7%だった。回答者の半数以上が満足と回答した国は21カ国中わずか3カ国にとどまった。

 「行政は、十分に市民に意見を求めていますか」との問いでは、日本の回答者のうち23%が「十分に求めている/求めている」と回答。「全く求めていない/あまり求めていない」との回答は49%だった。