低迷しているインターネット大手の米Yahoo!は,スペインのバルセロナで開催中のGSMA Mobile World Congress(MWC)2009で2009年2月17日(現地時間),スマートフォン向け各種モバイル・サービスを統合して連携度を高め,米Appleの「iPhone」とそっくりな新ユーザー・インタフェース(UI)「Yahoo! Mobile」から使えるようにすると発表した。Yahoo! Mobileの見た目はiPhoneと似ているものの,ライバル企業の製品などと違って互換性や対応状況を気にする必要がなく,多種多様なスマートフォンで利用可能だ(関連記事:Yahoo!,モバイル向け各種サービスを統合した「Yahoo! Mobile」の刷新版)。

 Yahoo!上級副社長のMarco Boerries氏は「Yahoo! Mobileは,世界中に大勢いるモバイル・ユーザーのインターネット利用方法を変えるだろう。自分のモバイル端末をインターネットの出発地点として設定し,大切な人や事柄に関する情報を見つけたり,常に最新情報を入手可能な状態にしたりできる」と述べた。

 Yahoo! Mobileは,MWC 2009で発表されたほかの様々なモバイル市場向け計画と同様,急拡大中の消費者向けスマートフォン市場がターゲットだ。この市場は,コンピュータ関連分野のなかで将来ユーザー数が最大になると見られている。ただし,Yahoo!はYahoo! Mobileを特定のスマートフォン専用としない。そのため,どのモバイル機器向けOSが主流になろうとも,多くのユーザーを獲得する可能性がある。同社は,Yahoo! Mobileを「BlackBerry」「iPhone」「Symbian」「Windows Mobile」用アプリケーションのほか,モバイル機器用Webアプリケーションの形態でも提供される。

 同社は,Yahoo! Mobileのリリースを数段階に分けて行う予定で,iPhone用アプリケーションおよびWebアプリケーションの公開ベータ版を3月に提供するという。両ベータ版は,「Yahoo! Search」やメール,インスタント・メッセージング(IM),ニュース,RSSフィード,その他Yahoo!のサービスに対応する。iPhone以外のスマートフォン向けベータ版は5月リリースの予定だそうだ。

 Yahoo! Mobile用Webアプリケーションのクロス・プラットフォーム化は,セット提供とモバイル機器向けWebブラウザ「Opera Mini」の利用推進で実現させる。Yahoo! Mobileと同じく,Opera Miniも無料で利用できる。