NTT(持ち株会社)とNTTコミュニケーションズ(NTTコム),NTTぷららの3社は2009年2月18日,IPTVサービスの高度化を目指して各種技術やサービス性を検証する取り組み「ひかりTVラボ」を共同で実施すると発表した。

 「ひかりTVラボ」は,IPTVサービスの新たな付加価値サービスや技術について有効性の検証を効率的に行うための枠組みである。具体的には,展示会などでの意見のフィードバックや各社共同での評価をした上で,IPTVサービス「ひかりTV」のプラットフォームを利用して各種トライアルサービスを実施する。

 またNTTのサイバーコミュニケーション総合研究所が開発した,「パーソナライズ型視聴サービス」や「IPTV/モバイル連携サービス」などの付加価値技術について,「ひかりTVラボ」の枠組みを活用して有効性を検証する。

 「パーソナライズ型視聴サービス」は,視聴者の好みやプロファイルに合わせてコンテンツや情報を提示するサービスである。(1)映像コンテンツのメタデータを活用して世帯や個人のプロファイルに基づくおすすめ情報を生成する,(2)視聴者のプロファイル,視聴履歴,お気に入り情報などを集約・管理(サービス管理)する,(3)VODコンテンツの動的なシームレス結合・配信によるプロファイルごとの映像出し分け――といった基盤技術を開発済みである。

 「IPTV/モバイル連携サービス」は,自宅だけでなく携帯端末を使い,外出先でもコンテンツを楽しめるサービスである。(1)携帯端末上でメタデータを利用した個人向けの番組情報を提供する技術(携帯ECG),(2)携帯端末とIPTV端末でコンテンツの視聴ポイントを共有し,異なる機器間でコンテンツの「続き見」を実現する技術,(3)携帯端末とIPTV端末でブックマーク情報を共有する技術――といった基盤技術を開発済みである。

 サイバーコミュニケーション総合研究所は,今回のトライアルを通じて技術的課題を明確にすることで,IPTVの高度化に向けた更なる研究開発を進めていく。NTTコムはこれまで培ってきた情報サービスのノウハウを生かし,「ひかりTVラボ」の場で映像配信と情報サービスの連携を促進する開発を進める。NTTぷららは,これまで提供してきた映像サービス事業のノウハウを活用し,サービス運用やユーザーニーズなどを踏まえたサービス性の検証の面で協力する。

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