マイクロソフトと独立行政法人メディア教育開発センター(NIME)は,1人1台のPC環境における教育効果などを探る「NEXTプロジェクト」に共同で取り組んでいる。2009年2月17日,同プロジェクトのモデル校の1つである東京都港区立青山小学校でITを活用して学習する公開授業が行われた。
NEXTプロジェクトは,子どもの学力向上と校務の効率化を目的に,学校へのIT導入効果を実証研究するもの。青山小学校のほか,海陽学園(愛知県),立命館小学校(京都府),神戸学院大学付属高等学校(兵庫県),和歌山市がモデル校・地域となっている。
今回の公開授業では,青山小学校の2年生・4年生・6年生が,タブレットPCや電子黒板,Web会議システムなど使って学習する様子が紹介された。
2年生の生活科の授業では,児童がデジタルカメラで撮影した消防署と図書館の様子について,タブレットPCを使って資料にまとめ,電子黒板で発表した(写真1)。発表では,Microsoft Silverlight 2の画像表示機能「Deep Zoom」を使って画像を拡大。施設内の細部まで紹介していた。
4年生の社会科では,マイクロソフトのWeb会議システム「Microsoft Roundtable」と「Microsoft Office Live Meeting」を使って,和歌山市立有功東小学校とインターネットを介した交流授業を行った(写真2)。青山小学校の児童が出題したクイズに,有効東小学校の児童が回答。楽しく学習を進めていた。
6年生の総合の授業では,タブレットPCと,グループウエア「Microsoft Office OneNote」を使って,情報モラルについて勉強した(写真3)。電子メールの書き方とマナーの学習では,各児童がタブレットPCでメールの例文を作成。OneNoteで皆の例文を共有し意見交換を行った。
児童に授業の感想を尋ねると「タブレットPCを使うのが楽しい」(2年生の児童),「タブレットPCだと手で書くより楽」(6年生の児童)など,タブレットPCへの興味で学習意欲が高まっている様子だ。Web会議システムを使った交流授業も「離れた場所にいる人とも,顔を見ながら話せたので分かりやすかった」(4年生の児童)と好評だった。
同プロジェクトの研究を通じて,マイクロソフトとNIMEは,ITを使った次世代の学校教育モデルを提唱していくという。