米Adobe Systemsはスペイン・バルセロナで開幕した「GSMA Mobile World Congress」で現地時間2009年2月16日,携帯電話などモバイル機器向けのFlash技術の新版「Flash Lite 3.1 Distributable Player」を発表した。Flashコンテンツとともに,Flash Liteのランタイムのインストーラを配布できるのが特徴。現在,同社サイトでパブリック・ベータ版をダウンロード配布している。

 現時点での対応プラットフォームは,フィンランドのNokiaの「S60」と,米Microsoftの「Windows Mobile」。現時点でサービス可能な国は,米国,英国,スペイン,イタリア,インドで,その他の国も今後対応していく予定。既に,米Walt DisneyやイタリアのGazzetta dello Sportなどの企業が,自社コンテンツにFlash Lite Distributable Playerを採用したという。

 Flash Lite 3.1は,3.0と同等の機能に加えて,SWFファイル・アクセスのセキュリティ・モデルの向上をはじめとする機能拡張を施した。コンテンツの作成は,「Adobe Flash CS4(またはCS3)Professional」と「Adobe Device Central CS4(またはCS3)」で行い,「Adobe Mobile Packager」でSWFファイルをパッケージする。

 またAdobeは同日Nokiaと共同で,Flash技術を利用したコンテンツやサービスの開発を支援するための1000万ドルの基金「Open Screen Project Fund」を発表した。Flash技術をベースに,テレビ,パソコン,携帯電話などの複数機器にまたがる共通アプリケーション基盤の確立を目指す取り組み「Open Screen Project」を推進する。アプリケーションのアイデアを開発者から募り,審査を行ったうえで,その実現に向けた支援を行うとしている。

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