写真1●MWC開幕に向けて準備が急ピッチで進むバルセロナの会場
写真1●MWC開幕に向けて準備が急ピッチで進むバルセロナの会場
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写真2●1GHzのCPUを搭載した東芝の高性能端末「TG01」(左)と太陽電池を搭載した韓国サムスン電子の「Blue Earh」(右)。今回の展示会では,環境問題への各社の取り組みも要注目だ
写真2●1GHzのCPUを搭載した東芝の高性能端末「TG01」(左)と太陽電池を搭載した韓国サムスン電子の「Blue Earh」(右)。今回の展示会では,環境問題への各社の取り組みも要注目だ
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 世界最大級の携帯電話関連の展示会「Mobile World Congress 2009」(MWC)が,まもなく2009年2月16日(スペイン現地時間)に開幕する。会場となるのは,スペイン・バルセロナのバルセロナ見本市会場「Fire de Barcelona」(写真1)だ。
 
 昨年末からの世界的な景気後退の影響か,年々拡大を続けてきたMWCも今年は若干規模が縮小する見込みだ。2008年の来場者数が5万5000人だったのに対し,主催者側は今年は5万人と見積もる。実際,昨年までは,期間中にバルセロナ市内のホテルを確保するのは至難の技だったが,今年は比較的ホテルを取りやすくなっている。

 とはいえMWCが世界最大級のモバイル関連の展示会であることには変わりない。会期中に予定されているカンファレンス参加者の顔ぶれは,例年と変わらず豪華だ。フィンランドのノキアのオリペッカ・カラスブオCEOやスウェーデンのエリクソンのカール-ヘンリック・スヴァンベリCEO,米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOなど世界の有力企業のトップが顔をそろえる。

 まず注目されるのは,新しいモバイル端末の登場だ。会期直前には,1GHzのCPUを搭載した東芝「TG01」(写真2左関連記事)や太陽電池を搭載した韓国サムスン電子の「Blue Earth」(写真2右)といった製品が既に発表されている。これらの端末のお披露目はもちろん,ほかにも各社から最新端末が登場することが期待される。

 新技術では,次世代携帯電話の通信技術「LTE」(long term evolution)に注目だ。2010年ころからの商用化に向けて,各ベンダーが自社の技術の完成度を競う形になるだろう。エリクソンやフィンランドのノキアシーメンスネットワークス,米モトローラなどがLTEのライブデモを予定している。

Windows Mobile最新版やAndroid搭載新端末の登場に期待

 端末プラットフォームの分野にも大きな動きがありそうだ。米マイクロソフトは期間中にプレス・カンファレンスを予定しており,Windows Mobileの最新版や新サービスを発表するとみられる。ほかにも米グーグルのAndroidを実装した端末が,多数登場することも期待される。

 このようなモバイル・ブロードバンドの進展やオープン系の開発環境の発展によって,通信事業者のビジネスモデルが今後どのように変化していくのかにも注目が集まる。キーノートカンファレンスでは,英ボーダフォンのビットリオ・コラオCEOやスペイン・テレフォニカのセサール・アリエルタCEO,米AT&Tモビリティのラルフ・デ・ラ・ベガCEOといった大手携帯電話事業者のトップが,これらのテーマに応えてくれるだろう。
 
 現地では会期前日の2/15からカンファレンスが開催される。ITproでは,現地時間の2月15日~19日の5日間にわたって,現場からリポートをお届けする予定だ。

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