NTT(日本電信電話)は2009年2月13日,MPEG-4 AVC/H.264の拡張規格であるSVC(Scalable Video Coding)に準拠したコーデック(符号化/復号化)システムを開発したと発表した。2009年4月開催のNABショーに出展する。
このコーデックは,ソフトウエアで構成されており,いわゆるフルHD(1920×1080画素のHDTV)からモバイルまでの様々な解像度の映像を1つの圧縮データで再生できるスケーラブル映像圧縮という機能を実現する(図1)。従来の主要な動画像系コーデック技術では,異なる解像度の映像の要求に応じて,複数の圧縮データが存在してしまい非効率だった(図2)。
開発システムは,エンコーダによる圧縮データの生成とデコーダによる複数解像度映像の再生をともにリアルタイムで処理することが可能である。こうした機能をフルHDの解像度で実現したのは世界初という。
フルHDのような高解像映像をリアルタイム圧縮処理するためには,画質を落とすことなく演算量を効果的に削減することが重要なポイントとなる。「階層構造を利用した高速モード選択」や「階層ストライプ並列エンコーディング」という技術を導入して解決を図った。
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