米IBMと米アマゾン・ドット・コムは2009年2月11日(米国時間)、IBMのデータベース製品である「DB2」や「Informix Dynamic Server」などを、アマゾンのクラウド・コンピューティング・サービス「Amazon EC2」で利用可能にすると発表した。IBMが同社の商用ライセンスをEC2上で使用する場合の指針を公開したほか、IBM製ソフトウエアをプリインストールしたディスク・イメージを近日中に公開する。

 Amazon EC2は、アマゾンが自社データセンターで運用する「Xen」の仮想マシンを、ユーザー企業が時間単位で借りられる「Infrastructure as a Service」である。既に「Oracle DB」や「SQL Server」などの商用データベース製品が利用可能である。今回IBMがDB2のEC2対応を発表したことによって、主要商用データベース製品のほとんどがEC2で利用可能になった。

 IBMがEC2対応を発表したのは、DB2やInformix Dynamic Serverに加えて、「WebSphere Portal」「Lotus Web Content Management」「WebSphere sMash」などである。OSとしては米ノベルの「SUSE Linux」を採用。近日中に、SUSE LinuxにDB2などがインストールしたEC2用のディスク・イメージ・ファイル(AMI、Amazon Machine Image形式)を、IBMがEC2の「ディスク・イメージ・ファイル・カタログ」に登録する予定。開発者やユーザー企業は、カタログからディスク・イメージを選択するだけで、これらのソフトウエアを利用できるようになる。

 ソフトウエアのライセンス料金は、2種類の方法で支払いが可能。1つは使った分だけ時間単位で支払うという従量課金制(pay-as-you-go)で、料金表は近日中に発表する。

 もう一つは、プロセッサ・ライセンスで購入したソフトウエアを、EC2上で利用する方法。IBMでは、プロセッサ・ライセンスの課金単位をProcessor Value Unit(PVU)という単位で表しており、EC2の「Small instance」が50PVU(実マシンではPowerPC 970やPOWER5、Opteron、Xeon、UltraSPARC T2の各プロセッサ1コアに相当する)、「Large instance」と「High CPU medium instance」が100PVU(POWER5、Z9、SPARC64 VI/VII、PA-RISC、Itanium、UltraSPARC IVの各プロセッサ1コアに相当)、「Extra large instance」が200PVU、「High CPU large instance」が400PVUになるとした。