写真●日本プログレスの田上一巳代表取締役社長
写真●日本プログレスの田上一巳代表取締役社長
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 「米国の調査会社のデータによると,米国企業の60%がSOA(Service Oriented Architecture)をプロジェクトで適用し,日本企業は20%だという。しかし,私は20%にも満たないと感じている」。こう語るのは,SOA基盤ソフトなどを取り扱う日本プログレス並びに日本アイオナテクノロジーズで代表取締役社長を務める田上一巳氏(写真)だ。

 田上氏は「米国企業で適用率が高いのは,既存システムと新システムを組み合わせて構築する際に,SOAを適用しているからだ」と指摘する。「日本では,SOAを新規システムに組み込もうとしているため,現場で『SOAアレルギー(SOA導入に対する抵抗感のこと)』が強く出ているのではないか」と田上氏は続ける。

 今後のSOAの適用動向について田上氏は,「景気後退で今後,既存システムを有効活用するプロジェクトが増えてくるとみられる。それらのプロジェクトで,システム連携が必要になってくるので,SOAの適用が進むだろう」と推測する。

 日本プログレスは,昨年12月,ソフトウエア・ベンダーのソニックソフトウェアと,データディレクトテクノロジーズを統合してできた会社。傘下には,日本アイオナテクノロジーズをおさめている。

 日本プログレスで取り扱うソフトウエアは,データベース接続のためのJDBCドライバやODBCドライバの「DataDirect Connect」,SOAの基盤ソフト「Sonic ESB」,分散オブジェクト技術のCORBAに準拠したミドルウエア「Orbix」など種類が多い。「いずれもそれぞれの分野で有名なソフト。今後はこれらのソフトを『誰もが知っているソフト』にしていきたい」と田上氏は抱負を語る。