米Microsoftは2009年2月10日(米国時間),次期クライアントOS「Windows 7」一般向けベータ版をダウンロード提供していたサーバーの停止作業を開始した。数週間続いた,機能実装済みで完成に近いWindows 7のダウンロード・サービスがこれで終わる。停止作業は2段階に分かれている。2月10日の時点で,新たなダウンロード・セッションを始められなくなった。ただし,ダウンロード中のユーザーには,2月12日午前9時(太平洋沿岸標準時)までの猶予期間が与えられている(関連記事:Microsoft,「Windows 7」ベータ版の一般ユーザー向け提供を2月10日まで延長)。

 ダウンロード・サービスを停止するのは,一般ユーザー向けのサーバーのみが対象だ。MSDN/TechNet会員は,引き続きベータ版をダウンロードできる。

 Windows 7ベータ版の一般提供が始まった1月9日,ダウンロードを試みるユーザーがサーバーに殺到し,初日はほぼサービス停止の状態に陥った。同社は翌日,サーバーの能力を増強してサービスを再開し,無事にダウンロードを終えられるようサービス期間を延長した。同社は公式な数字をまだ発表していないが,Windows 7ベータ版をダウンロードして自分のパソコンにインストールしたユーザーは数百万人いたと思われる。

 ベータ版の評価は好意的なものが圧倒的に多く,よく似ている現行OS「Windows Vista」に対する評判と大違いだ。バグがなく,互換性が高く,日々の作業に使いやすいとする評価レポートが大半を占めている。こうした評価結果は,これまでのWindowsベータ版とも全く違う(関連記事:「Windows 7」の早期リリースを求める署名が2700超も集まる)。

 Windows 7開発の次の節目は,1回だけ出す予定のリリース候補(RC:Release Candidate)版だ(関連記事:「Windows 7」のベータ版は終了,早ければ今年半ばにリリースMicrosoft,「Windows 7」はベータ2版なしでリリース候補版へ)。RC版も,一般向けに提供されるだろう。同社はRC版のリリース時期を明らかにしていないが,4月というところが妥当な線だと思う。筆者は最終リリースを2009年半ばと睨んでいる。Windows 7ベータ版の使用期限が2009年8月1日に設定されている事実と,何らかの関係がある。Windows 7は,この直前に完成するだろう。

 以下に関連記事(英文)へのリンクを掲載しておく。

・「Windows 7 Beta Availability」(Windows 7ベータ版が登場)http://www.winsupersite.com/win7/win7_beta_available.asp

・「Windows 7 Beta Review」(Windows 7ベータ版のレビュー)http://www.winsupersite.com/win7/win7_beta.asp

・「The Windows 7 Public Beta Arrives」(Windows 7ベータ版が一般公開に)http://windowsitpro.com/article/articleid/101220/the-windows-7-public-beta-arrives.html