写真●情報セキュリティ大学院大学の内田勝也教授
写真●情報セキュリティ大学院大学の内田勝也教授
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 マカフィーは2009年2月6日,企業の知的財産保護の実態を調査したレポート「無防備な経済:重要情報の保護」に関する説明会を開催した。このレポートは,米国,英国,ドイツ,日本,中国,インド,ブラジル,ドバイのCIO(最高情報責任者)800人以上の回答を分析したもの。先月29日に世界経済フォーラム年次総会で発表された。

 レポートでは,知的財産の世界全体の損失額は1兆ドル以上であることを報告している。説明会に登壇した米マカフィー ワールドワイド フィールドマーケティング担当 シニアバイスプレジデントのロバート・ハンフリー氏は「今や知的財産は国際通貨の一形態となっている」と指摘。そのため,経済的に困窮している従業員や解雇した従業員など,社内関係者による企業データの盗難が増加している。今回の調査対象者の42%が,解雇した従業員が知的財産に対する最大の脅威だと回答している。

 今回のレポートで,国内の調査に協力した情報セキュリティ大学院大学の内田勝也教授(写真)は,日本における知的財産保護の実態について「情報セキュリティ=個人情報保護と考える傾向が強い。個人情報だけでなく知的財産の保護も徹底するべきだ」と指摘した。