「あれほど鳴り物入りで(省庁に)CIOを設置したにもかかわらず、私がCIOの会議に顔を出したときには、ほとんど代理出席で済まされるような形骸化した会議になっており、非常に残念に思う。霞が関のこうした状況が大きく変わらなければ、国民に(ITの恩恵は)行き届かない」

 「これまで国民IDについて、きちんと議論されていなかった。しかしIDがなければ、“申請主義”を変えていくなど、せっかくのITの高度なスペックが使い切れない。これまではなかなか議論できなかったが、本当に国民がプラスと受け取れるようなIT戦略を作り上げていただきたい」

 「まさに国民ひとり一人に役に立つ、ITのすごさが実感できるような、思い切って抜本的な取り組みをしていただきたい」

 2月6日、IT戦略本部が設置した「第1回 IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」において、野田聖子IT担当大臣は冒頭あいさつの中でこのように述べた。

 「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」は、2015年までを見通した次期政府IT戦略と、今後3カ年の緊急プランをまとめるために設置された。座長は東京電力顧問の南直哉氏。専門調査会では、3月末までに緊急プラン案を、6月までに次期戦略案をとりまとめる予定。