マイクロソフトは2009年2月5日，開発中の次期Webブラウザ「Internet Explorer 8（IE8）」に関する説明会を開催した。IE8は，先月27日に製品候補（RC：Release Candidate）版を公開し，現在は開発の最終段階にある。同社コマーシャルWindows本部の中川哲本部長は，「これまでトラブルの報告はない。よい品質で提供できているのではないか」と述べた。また，同日までに国内のコンテンツ・プロバイダやWebサービス・プロバイダなど21社が，IE8の新機能に対応したサービスを開発したことを明らかにした。
説明会には，21社の中からNTTレゾナント，カカクコム，ヤフーの3社が同席し，具体的な対応状況を説明した。
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントは，IE8の新機能である「検索候補」への対応を説明した。「検索候補」は，右上の検索ボックス内に文字列を入力していくと，それに対応する候補を入力途中でも随時表示していく機能である。gooでは，この「検索候補」に対応した新しい検索サービス「Goo Visual Search」を提供し，検索ボックスにひらがなを入力した段階で漢字の検索候補も表示する。この技術は「NTTの電話番号検索サービス104番で，住所を漢字変換するときに使っていた技術を応用したもの」（NTTレゾナント シームレス事業部 サービス担当 部長の小澤英昭氏）という。テキスト情報だけでなく，検索ボックスにタレント名などを入力すると，gooのタレント名鑑の情報を参照して画像やプロフィールなどを表示する画像の表示機能も実装した（写真1）。
またカカクコムは，同社が運営する価格比較サイト「価格.com」でのIE8の「アクセラレータ」機能への対応を説明した。「アクセラレータ」は，Webページ上に表示されたテキストを選択すると，その選択した語句を対象に検索や翻訳，地図表示が実行できるという機能。このアクセラレータに対応することで，Webページで製品名を選択してすぐに「価格.com」で価格やスペックなどの製品情報が表示されるようになった（写真2）。
ヤフーは，同社が運営するオークション・サイト「Yahoo！オークション」におけるIE8の「Webスライス」機能の実装を説明した（写真3）。「Webスライス」は，頻繁に更新されるWebページの一部をお気に入りバーに保存して，更新情報を簡単に確認できるようにする機能。Yahoo！オークションのWebページから，目当ての商品や，出品中・入札中の商品をWebスライスで切り取って保存しておけば，別のWebページを閲覧しているときもオークション状況を確認できる。
