米Singularity Universityは米国時間2009年2月3日,カリフォルニア州シリコンバレーにある米航空宇宙局(NASA)のAmes Research Center内にキャンパスを開設し,大学院レベルの9週間のカリキュラムを今年6月から開始すると発表した。次世代のリーダーを育成し,人類の大きな問題に対処することを目標として,学際的な教育を行うという。

 Singularity Universityは,米国の著名発明家で未来学者のRay Kurzweil氏や,X PRIZE Foundation会長のPeter Diamandis氏らが昨年9月に設立した教育機関。共同創設者として,Ames Research Center所長のPete Worden氏,国際宇宙大学(ISU:International Space University)共同創設者のRobert Richards氏,ISU学長のMichael Simpson氏らが名を連ねる。米Googleもスポンサー企業となっている。

 Singularity Universityの特徴は,学際的教育に重点を置いていること。中心となる研究分野として,「未来の研究と予測」「ネットワーク,コンピューティング・システム」「バイオテクノロジー,バイオインフォマティクス」「ナノテクノロジー」「人工知能,ロボット工学,認知コンピューティング」「エネルギー,エコロジー・システム」など10項目を選び,これらの分野を網羅したカリキュラムで教育を行う。

 大学院レベルの学生を対象とした9週間の「Graduate Studies Program」を6月27日~8月29日に実施する。今年は定員を30人に限定するが,今後は120人まで増やす予定。米メディア(CNET News.com)の報道によると,基本の学費は2万5000ドルだが,奨学金制度もある。

 今秋からは,CEOや企業幹部を対象とした「Executive Program」も実施する予定。10日間と3日間のコースがあり,定員はそれぞれ約40人と20人。

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