米Motorolaは米国時間2009年2月3日,2008年第4四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比26%減の71億4000万ドル。会計原則(GAAP)ベースの純損失は35億8000万ドル(希薄化後の1株当たり損失は1ドル57セント)。前年同期は1億ドルの黒字(希薄化後の1株当たり利益は4セント)だった。同社は併せて最高財務責任者(CFO)Paul J. Liska氏の辞任も明らかにした。

 第4四半期の事業別業績は,モバイル・デバイス事業の売上高が前年同期比51%減の23億5000万ドルで,携帯電話の出荷台数は1920万台だった。家庭およびネットワーク・モバイル事業の売上高は同5%減の26億ドル。企業向けモバイル・ソリューション事業は22億2000万ドルで,同4%増加した。

 2008年通期の売上高は301億5000万ドルで前年比18%減少。GAAPベースの純損失は41億6000万ドル(希薄化後の1株当たり損失は1ドル84セント)で,前年同期の純損失5000万ドル(同2セント)から大幅に赤字が拡大した。

 同社は昨年10月の時点で,第4四半期の業績を1株当たり利益2~4セント,通期については1株当たり利益5~7セントと予測していた(関連記事:MotorolaのQ3決算は約4億ドルの赤字,携帯電話事業の分社化計画を延期)。

 同社共同CEOのGreg Brown氏とSanjay Jha氏は,「現在直面している経済状況と課題を踏まえ,当社は,特にモバイル・デバイス事業において,コスト削減と財務状況改善に積極的に取り組んできた。進行中の施策により,2009年に合計約15億ドルのコスト削減を実現できるとみている」と述べた。

 2009年第1四半期の業績見通しについては,諸費用を除いた1株当たり損失を0.10~0.12ドルの範囲と予測している。

 米メディアの報道(Internetnews.com)によると,Motorolaの経営幹部は,少なくとも2010年あるいは2011年まで黒字転換は見込めないとしている。

 なお,同社は新CFOの候補者選びを既に開始。Liska氏は直ちに辞任し,現上級副社長兼コーポレート・コントローラーのEdward J. Fitzpatrick氏がCFO代理を兼務する。

[発表資料(1)] [発表資料(2)]