調査会社の米Gartnerは米国時間2009年2月2日,クラウド・コンピューティング市場について分析した結果を発表した。それによると,同市場は成長期にあり,高い可能性を持っているが,クラウド・アプリケーションのインフラ技術が成熟するまで7年を要するとしている。

 Gartnerは,SaaSソリューション構築の基盤となるSEAP(サービス対応アプリケーション・プラットフォーム)技術が今後数年間で成熟すると予測。これに伴い,クラウド・コンピューティング市場が3段階で発展すると見ている。

 第1フェーズ(2007~2011年)は市場の発展段階。技術的に積極的なアプリケーション開発組織が限定的なプロジェクトとしてクラウド・コンピューティングに注目する。この時期は,市場が成熟し始め,一部のベンダー・グループによって支配されるようになる。

 第2フェーズ(2010~2013年)は市場統合の段階となる。新しいベンダーが急増するが,市場における淘汰も進む。この段階では,クラウド・コンピューティングが主流のアプリケーション開発組織にとって魅力のある技術となる。SEAP技術は,2013年までに多くのGlobal 2000企業のアプリケーション開発において優先される選択肢となるが,独占的な選択肢とはならない。

 第3フェーズ(2012~2015年以降)では,クラウド・コンピューティングがコモディティ化され,多くのアプリケーション開発組織で優先されるソリューションとなる。2013年には市場が少数の大規模SEAPプロバイダによって支配されるようになる。これらの企業は,主に過去5年間に開発してきたプロプライエタリ技術を利用するが,これらの技術は異なるベンダーのソリューションを連携させるアプリケーション・プログラミング・インタフェースをサポートするようになるという。

 また,プロプライエタリとオープンなSEAP技術の競争が激化し,2014年までに複数のオープンソースのSEAPソフトウエア・スタックが支持されるようになる。2015年以降,SEAP市場ではこれらのオープンソースSEAPのシェアが徐々に拡大するとGartnerは予測する。

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